キットボーイでは、2000年頃からFETスイッチの制作を手がけ2003年頃に一般販売を始めた。
当時の市販品やWEB上で公表されていたFETスイッチは
故障率が高く、あまり信頼のおけるものではなかった。
FETスイッチ故障の主な原因として
熱暴走
⇒150~170℃によってシリコンが破損する。
耐電圧超越
⇒FET素子規定耐圧以上の電圧がかかると破損する。
FET使用に際しこれらを対処する為の回路構成が要求される。
しかし、従来のFETスイッチは
>発射した瞬間にバッテリ電圧が低下し、それに伴い発熱が起きる。
>熱を逃がすための放熱板がついていないので熱が蓄積する。
>モータの逆起電力キャンセラーが付いていないため耐電圧をオーバーする。
など、様々な問題を抱えたまま世に出回っていた。
上記の課題をすべてクリアした回路構成がキットボーイFETスイッチにとっての理想形であった。
電動ガンにおいて バッテリとモータ の使用はどうしても避けることはできない。
また使用を続けると電圧が低下するのはバッテリの宿命であり、
バッテリの電圧変動を防ぐことはどうしてもできない。
まずは発熱の問題である。
発射時、FETのゲート電圧の低下により内部抵抗値が増加し、結果、発熱する。
つまり発熱を防止するためにはゲート電圧の安定が必要である。
・電気を一時的に蓄える電解コンデンサ
・電流を一方通行に流すダイオード
上記二つを組み合わせた安定化回路を内蔵することによって発熱の問題は劇的に改善される。
これに加え、2mm厚放熱板を設置することによって熱についてはほぼ問題ない。
次に逆起電力の問題だ。
モータが高速回転している状態から急激にスイッチをオフにすると
回転の惰性によってモータが発電機の役割を果たしてしまう。
さらにコイルの特性により高い電圧が発生してしまう。このことを逆起電力という。
これが約50~60V(実測)の電圧を生じさせ、FETの耐電圧をオーバーし故障に至る。
対策のひとつとして発生した高電圧を直接FETに加えさせないように環流ダイオードと抵抗器を回路に内蔵する方法がある。
さて、これらの対策を踏まえた上、もっともシンプルな型をしたのが
オンリーG(現在のハイサイクルS)である。
つづく...
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