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KITBOY店長による、 エアガンのFETスイッチ講座です。

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疑問1 
FETスイッチは消耗品なので定期的に交換する必要があるか?

まずはじめに、
FETは消耗品ではない。
 
FETスイッチが突然壊れてしまうという話をよく耳にするが
 
そこには回路上での問題があるのだ。

 
其の一

還流ダイオード等 サージキャンセル回路が搭載されていないものを使用していることに原因がある。
 
サージキャンセル回路がないものはモータの電流が止まるとき
 
大きなサージ電流が生じ、FETの耐圧を超えた高電圧がかかる。
 
これを長期間続けると、ある日突然FETがお釈迦になる。

 
其の二

ゲート電圧安定回路付きでないFETを使用しているために
 
バッテリー電圧の低下に伴いゲート電圧も低下し、内部抵抗が高くなる。
 
これにより、FET素子が発熱し破損する。
 
放熱板類がないものは特にこの現象に拍車がかかる。

 
つまり、FET素子そのものが壊れるものではない。
 
過度の熱や電圧などの外部要因によりFETはダメージを受けてしまう。
 
それを防ぐための適正な回路設計を行えば、FETは末長く使いやすいものとなるだろう。
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今回からは、ネットや巷で言われているFETスイッチの素朴な疑問や
「都市伝説」的に流されているウワサを検証していこうと思います。

 現在ネット上で気になった「都市伝説」は以下の7つです。


 

疑問1 
FETスイッチは消耗品なので定期的に
交換する必要があるか?


疑問2 
FETスイッチを使用すると、本当にレスポンスが良くなるのか?

疑問3 
国産のFET素子は使えない?


疑問4 
FET素子は静電気で壊れるので、ゴム手袋をして作業する
必要がある?


疑問5 
FETスイッチにコンデンサとダイオードをつけると発熱する?

疑問6 

IRL3713は210A電流を流す事が出来るのか?

疑問7 
IRL3713にはバッタもんが
出回っている?


 

これらを次回から詳しく解説し、その真偽を確かめていきます。
 

この他にもFETスイッチで気になる点があれば、
コメントで答えていこうと思います。


 前回からだいぶ遅れてしまったが、今回はFETスイッチであるオンリーG(ハイサイクルS)の取り付けについて解説していきたいと思う。今回は、東京マルイ製のM16A1のバージョン2メカボックスを使用した。メカボックスの基本的な配線はどのバージョンでも同一である。

下に出ている2本がモータへの接続、左側のコネクトがバッテリーへの接続である。


トリガースイッチ部分


 左側の2本がバッテリーへの接続、右側の赤と黒の太い線がモータへの接続、右の真ん中から出ている細い2本の線はトリガースイッチへの接続になる。
1.メカボックスの配線を取り外す
 メカボックス内の既存の配線はすべて取り外す。この時モータへ接続されていた配線の長さを測っておくと、FET接続時の調整に役立ちます。



トリガースイッチ部はハンダごてで取り外す


2.FETスイッチの設置
 配線を取り外したメカボックスに、FETスイッチの配線を設置する。


 モータ接続部分の戦は先ほど測った長さが出るようにする。

 
3.FETスイッチを接続する
 配線の長さを調整できたら、トリガースイッチ部をハンダづけする。(色はどちらでもよいです)

 
接続が完了したら、メカボックスを元通りに組み立てる。(写真は仮付けです)


4.ヒューズの取り付け
 回路の保護のためにヒューズをFETスイッチのバッテリー側の線に取り付ける。

 
取り付けるのは、赤(+側)、黒(ー側)どちらでも構いません。収縮チューブやビニールテープでヒューズを保護します。(ヒューズはミニヒューズの20Aがお勧めです)
5.バッテリーコネクタ、ピンの取り付け
 バッテリーコネクタの取り付けを行います。

バッテリーコネクタはピンをカシめた後に、ハンダを流すとよりよいでしょう。


ラージコネクタ(大きいコネクタ)の取り付けの際は、四角の方に赤(+)、半丸に黒(ー)を差し込みます。(ミニコネクタの場合は丸がプラス、四角がマイナスなので注意が必要です)
ここでコネクタの取り付け向きが逆だと、FETスイッチや回路が破損する恐れがあるので、よく注意して取り付けて下さい。


 モータ側のピンは、カシめた後まげて、先ほどのようにハンダ付け、収縮チューブで絶縁します。


6.完成
 これでFETスイッチのオンリーG(ハイサイクルS)の取り付けは完了です。

 この説明のようにハンダ付けやコネクタの向き、ヒューズの取り付けなどを適切に行えば、回路の破損や誤作動を最小限に抑えることができます。

前回、文末に簡単な部品紹介をしたが
それぞれの働きを説明したいと思う。


公称電圧8.4Vバッテリ(ニッカド ラージ)は充電直後 約9.8Vの電圧まで上がる。
そこからは徐々に下がるが、充電翌日でも9.3Vは維持している。

これを前提にしてFETが動作するプロセスを説明しよう。




まず、コネクタにバッテリを接続しよう。
バッテリから流れる電流はダイオード(D1)を介して電解コンデンサ(C1)に充電される。

animation0.gif 
ダイオードにより元の9.8Vより0.2Vほど低下し約9.6Vになる。

一般的にシリコンダイオードに大電流を流すと0.6Vの電圧が低下するが、
それは大電流の場合のみである。

コンデンサに満充電されるとそれ以上電流が流れ込まない。
このような場合はあまり低下しないのが事実。

さて、これで発射準備は万端。
トリガーを引くと、C1の電圧9.6Vが抵抗器(R2)を通りFETのゲートに加わる。
c0b29c1b.gif
この瞬間にFETが起動。
モータが回転をはじめ、ファイア!

発射と同時にバッテリ電圧が低下する。
マルイノーマル電動ガンではフルオート時だいたい11Aもの負荷がかかり
バッテリ電圧は1.4Vも低下。約8.2Vになっていた。

セミオート時では なんと3.1V以上も低下。瞬間的に6.5Vを下回っていた。

これはモータの起動時に大電流が流れるために起こる現象である。
そのため、回転が持続しているフルオートより
モータのON/OFFを繰り返し行うセミオート連射の方が圧倒的にバッテリ電圧は低下するのだ。

ここで活躍するのが 大容量の蓄電器(電解コンデンサ)とダイオード である。
たとえバッテリ電圧が低下しても、コンデンサに蓄積された電荷はFETのゲート電圧を安定させることができる。
もしバッテリ電圧がコンデンサの電圧より下回った場合でもダイオード(D1)がある限り 逆流することはない。

トリガーを連続して引いているとコンデンサからは微弱な電流が流れ出る。
コンデンサの電圧も僅かながら低下を続けているのだ。
ここで大容量コンデンサを使用すれば全くといっていいほど影響はない。

トリガーを離す、即ちバッテリ電圧が復帰すると直ちにコンデンサへの電圧チャージが再開されるので
1分間ワントリガで撃ち続ける場面でもない限り、全く問題はないのだ。

トリガーから発射までのサイクルは説明した。
トリガーを離してからもある流れが存在する。

トリガースイッチをオフにした瞬間、モータからの逆起電力が発生。
高い電圧がFETのドレインへ瞬時に加わる。

8.4Vバッテリでは約40Vという高電圧が確認できた。
高い電圧のバッテリを使えば、当然 数値も高くなるだろう。

adcab573.gif
これを逃がすためにD2とR3を張る。
モータからの逆起電力はFETに加わる前に逸れ、コンデンサへと注がれる。

もしこの横道が用意されていなければFETにダメージが蓄積され最終的には破損する結果となる。


次回は、この回路のデータや波形を基に回路の性能を実測しよう。乞うご期待。



さてこれまでFETの利点と問題点を紹介してきたが
一体どのような回路が電動ガンに相応しいと言えるのだろうか。

ここでひとつ具体例を挙げよう。

fet.jpg
「FETスイッチオンリーG」基板

parts.jpg
使用した部品

第3回で紹介した電解コンデンサ、ダイオード、放熱板、抵抗の全てを内蔵し、
電動ガン用に設計された「オンリーGスタンダードモデル(OGSM)」
その名の通り、キットボーイより2003年に発売された「FETスイッチ オンリーG」の回路である。

ピストンコントロール回路なしで シンプルな構造のFETスイッチ。
ほとんどの電気的問題をクリアしたものだ。
電動ガンのFETスイッチとしては最もスマートで丈夫なモデルであろう。


iairo.png
オンリーGスタンダードモデル(OGSM)

これが電動ガン用FETスイッチOGSMの回路図である。
各部分を簡単に説明しよう。

(C1) ・・・電解コンデンサ
 →ゲート電圧安定用
(D1)・・・ダイオード
 →電解コンデンサに電気を溜め、逆流を防止する。
(D2)・・・ダイオード
 →逆起電力を逃がす。
(R1)・・・抵抗器
 →ゲート電圧の電荷を逃がす。
(R2)・・・抵抗器
 →ゲート保護および発振防止
(R3)・・・抵抗器
 →電流制限
(FET)・・・電界効果トランジスタ
 →モータ電流のON/OFF
(M)・・・モータ
 →電動ガン内臓モータ

 さて、次回はこのOGSMについてさらに突っ込んだ内容に触れたい。乞うご期待。

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